マーケティングに必須のWebプロモーションに関する知識・ノウハウを、ラジオ・書籍・セミナーなど様々な形で発信する田中千晶(たなかちあき)のBIOGRAPHYです。

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特別対談「withコロナ時代の生き方」スタンフォード・オンラインハイスクール校長 星友啓 × 株式会社BES 代表取締役 田中千晶

取材

2020-05-29


「withコロナ時代」を目前にして、ビジネスパーソンのあるべき姿を語る連載。2回目は、デジタルシフトが進む中で身に着けるべき考え方について、スタンフォード・オンライン高校校長 星 友啓(ほしともひろ)先生にお聞きしました。

  

精神性や道徳心は、どのようにビジネスに活用できるでしょうか?そのヒントを探っていきます。

   

星 友啓(ほしともひろ)氏│

Stanfordオンライン高校校長、哲学博士。Education; EdTech(教育関連テクノロジー)コンサルタント。1977年東京生まれ。 2008年Stanford大学哲学博士修了後、同大学哲学部講師として教鞭をとりながら、 Stanford Online High Schoolスタートアッププロジェクトに参加。2016年より校長に就任。2000年東京大学文学部思想文化学科哲学専修課程卒業。https://tomohirohoshi.com/

   

「withコロナ時代」を生き抜くビジネスパーソンに求められていること

     

田中:前回のインタビューの中で、変化を起こすにはリーダーシップが大切であるとお話いただきました。日本のビジネスパーソンは、変化の必要性に迫られています。変化しなければならない時に、どういう考え方ができれば「withコロナ時代」を乗り越えられでしょうか?

    

日本企業の体質を語るような立場にはいませんので、何を話せば参考にしていただけるかは悩みどころです。ただ、ひとつ言えることは、いろんな意見を受容するということだと思います。

    

日本人は、自己主張や深い議論をするのが苦手だと言われていますよね。コミュニケーションに関するさまざまな調査結果でも明らかになってきています。

    

意見が否定されると自分が否定されたと感じてしまうとか、相手の意見を否定したら相手が傷ついてしまうんじゃないかとか。そういう風に考える節があると思います。一言で言えば、日本の文化なのでしょうね。

    

ですが、意見の違いは意見の違いなのであって、根本的な人格の違いを評価しているものではありません。意見を主張するのは良いことです。主張が違ったら「意見の対立」であることを示しながら、話をするのが大切です。

    

「その意見は違います。私は、こう思う…」という言い方に変えてみると良いと思いますね。例えば、「このトピックについて、こういう発起がありました。ですが、ここにはこういう問題があり、それについて私はこう思います。どう思いますか?」といったように、意見を論点的に整理するのです。考えが相手に伝わると、相手も自分の意見を持てるようになります。

    

日本人には、「自分の言うことで空気を壊さないかな」「相手に嫌われたら嫌だな」と空気を読む人が多いです。誰もが意見を言いやすい空気を作っていかなければいけないと思いますね。

   

田中:いろんな意見を受容することは、平常時でも当たり前に大切な考え方ですね。他にもコロナウイルスの混乱が起きて大切になった価値観などはあるでしょうか?

    

今後は、自分の内面がより試される時代になると思うんですよね。自分がやりたいと思うことを、責任をもって主体的に成し遂げることが重要になるのではないかと。

    

これまでは、会社や学校に行っていれば、一定の枠組みの中でやるべきことがありました。チャイムが鳴って昼食を食べ、時間になれば勉強をしたり働いたり。たとえそれが、たいしてやりたくないことだったとしても、受動的にその現場にいれば、やるべきことが自分に舞い込んできてこなしていたと思います。

   

しかし、家にいなければならなくなると、これまでの組織の枠組みが使えなくなりますね。すると、自分で内面から湧き出るモチベーションや動機付けをする力が大事になります。自分の内面を見つめなおしたり、メンタルな部分を鍛えていったりということが、より大事になってくると思います。

     

田中:自分の役割や立場を理解し、自立して遂行できる人が求められる時代なのかもしれません。

    

そうですね、そういう人でなければ企業側も雇えなくなっていくと思います。今までは、単一的な基準に基づいて社会が回ってきたかもしれません。例えば、「何個の完成品をつくるために、こういう部品がいつまでに何個必要で、こういう能力を持った人がこういう役割を果たしてくれれば良い」といった具合ですね。

    

同時に、生産力に応じて売上も増えるという、右肩上がりのビジョンがはっきりしていましたね。みんな一つの方向に向かっていれば良かったし、それぞれの機能を果たす従順な人が社員なら良かったわけです。

    

ですが、経済も社会も成熟してきて、右肩上がりの成長だけでもなくなってきました。さらに、いろんな価値観やニーズを持った人たちが表れてきたんです。そうした社会で人は、それぞれがしっかりと意見をもって主体的に行動できることを求められます。“内から湧き出る力”で自主的・主体的に行動できる人と、そうでない人の差がより顕著に現れていくかもしれませんね。

    

      

内なる力”を目覚めさせ、真の社会貢献ができる1人になるために

    

田中:“自分の内にある力を最大限に発揮するためには、何を勉強したり何を工夫したりすれば良いでしょうか?

    

一つひとつのことを、自分で主体的に決定していくことが大切です。ささいな生活のことであっても、親や先生に言われたから決めるのではなく。一朝一夕にはいきません。ですが、大人になってからでも習慣付けることはできます。

    

それこそ、コロナの影響があって、自分で生き抜く力がより大事になったと感じている人は多いはずです。「目標を作ってみよう」とか「計画を立ててみよう」とか、そうしたことから始めても良いのです。どんな考え方があるかなと、本を読んでみたりZoom飲み会を開いて友人と語ったりするのも良いアイデアですね。時間がかかっても良いので自分で本題を設定したり、自分で決定してみましょう。すると、結局は、自分の内面を見つめることになりますね。だから、これはスキルではなく、どう内面と向き合うかという問題なのだと思います。

    

田中:主体的に決定していくことは、裏を返せば、自己中心的にものごとを決めるという可能性もはらんでいると思います。何かを決定するときに、内面性においてどのようなことを大切にすれば良いでしょうか?

   

人は、誰かほかの人たちとともに暮らしているので、社会的な決定であるべきです。自分のしていることで誰かに迷惑をかけないだろうと思っていても、迷惑になってしまうこともありますから。

    

人の話をよく聞いて、相手の立場を理解して共感する力も大事ですし、そのうえで、自分が相手にどういうことをしてあげられるかと考えていくことも大切です。その過程では、自分が関わっているグループの目的も考えるだろうし、全体で達成したいこととの兼ね合いもありますし。

    
じつは、相手のために何かをするという決定も、自分がしようと決めていることなんですよね。なので、自分で主体的に決める、イコール、自己中心的な決定であるという風にはなりません。自分で決めたことが社会にとって良いことでなければいけないということなんです。

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