マーケティングに必須のWebプロモーションに関する知識・ノウハウを、ラジオ・書籍・セミナーなど様々な形で発信する田中千晶(たなかちあき)のBIOGRAPHYです。

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特別対談「withコロナ時代の生き方」スタンフォード・オンラインハイスクール校長 星友啓 × 株式会社BES 代表取締役 田中千晶

取材

2020-05-29


新型コロナウイルスの流行が実体経済に与えた影響は、計り知れず。ハーバード大学は、2022年まで「ソーシャルディスタンス」が必要になると予測しています。緊急事態宣言が解除された後、消費経済が以前の状態まですぐに回復することは難しいかもしれません。

そのような中、コロナと共存しようとする、あるいは、コロナの影響を変わるチャンスと捉えて本質的な変革を行おうとする動きもあります。これから訪れる「withコロナ時代」を目前に、私たちはどのように変わっていくべきなのでしょうか?

そのヒントを得るべく、スタンフォード・オンライン高校校長 星 友啓(ほしともひろ)先生にインタビューを行いました。3回にわたる連載でお伝えしていきます。

  

星 友啓(ほしともひろ)氏│

Stanfordオンライン高校校長、哲学博士。Education; EdTech(教育関連テクノロジー)コンサルタント。1977年東京生まれ。 2008年Stanford大学哲学博士修了後、同大学哲学部講師として教鞭をとりながら、 Stanford Online High Schoolスタートアッププロジェクトに参加。2016年より校長に就任。2000年東京大学文学部思想文化学科哲学専修課程卒業。https://tomohirohoshi.com/

     

これからビジネスパーソンが直面する「withコロナ時代」と本質的な乗り越え方は?

田中:「withコロナ」の時代が到来するだろうと言われている中で、変わったことは何だと思いますか?

    

大きく変わったのは、とにかく変化のスピードが早まったということですね。10年や20年かかって緩やかに起こるだろうと思われてたような変化が、急激に起き始めているという印象があります。

   

どの企業においても、コロナの影響が出る前から「変えていこう」と考えていたことはあったと思います。今より、もっと良いオプション、もっと良いやり方があるのはわかっていたんです。ですが、今までのやり方があるので、ゆっくり変わっていくと思われていたようなこと。それが、こういう状況になって、急激に変わらざるを得なくなりました。例えば、計画しかり、オンライン化しかりです。

   

日本でもオンライン会議がだんだんと導入されてきているようですね。オンラインでやるために、これまでのミーティングの習慣を変えたり、オフィスをデジタル対応したりしている状況だと思います。

   

しなければいけなかったことをするための良いチャンスだ」といった捉え方をしている人たちもいます。結局のところは、時間がかかるだろうと思われていた変化が、早くできるようになったということではないでしょうか。何かが変わったというよりは、「早まった」という感覚を覚えています。

   

田中:変化のスピードが速くなったということですね。

   

それだけに、「慣性の法則」で何となく続いてきていたものが、続かなくなってきています。良いものがどんどん入ってきて、悪いものは淘汰されていく。それは、ある意味においては良いことでもあります。淘汰のスピードに付いていけるかということが、一人ひとりに問われているのかもしれませんね。そういう意味では、何も新しいことは言っていないんですけれども(笑)

  

田中:変化に対応できる企業とできない企業とで、どのような違いがありますか?

      

変化できるかどうかは、企業がもっている目的によりますね。例えば、教育というものは、社会のインフラの一部です。一気に変えてしまうことも、実験的に何かを変えてみて結果がダメであってもいけません。少しずつ変わっていかなければいけない。団体の目的からして仕方のないことです。そのように社会の根幹を支えているような団体は、いくつもあるわけです。そこに所属している人たちがどうということではありません。

  

一方で、目的によっては、ガラッと変わっていかなければいけないこともありますね。または、全体は難しくとも変えられる部分が見つかる場合もあるかもしれません。そのときに変化できるかどうかの違いは何かというと、やはりリーダーシップだと思いますね

  

今までのやり方を壊せるような人たちが出てこないといけないからです。これまでのやり方をしてきた人たちは、そのやり方で最高のパフォーマンスを出すことを求められてきたのです。それをガラッと変えなければいけないというのは、リーダーシップが担っていくべき役割ではないでしょうか。

  

田中:変化するためには、目的とリーダーシップが大事なのですね。星先生が考えている「リーダーシップ」とは、どのようなものでしょうか?イノベーティブな要素が入っていると言いますか、日本語で語られるのと異なる意味合いのように感じました。

  

それは、断定するのが難しいかもしれませんね。色んなリーダーシップ像がありますから。先ほど「変化」という文脈で話したので、「変化の方向を指し示し、その方向に向かって人を引っ張っていける」のが良いリーダーシップであるという印象を与えてしまったかもしれませんが、決してそうとも限らないと思うんです。

  

確かにそういうリーダーシップもあり得ますが、それを実際にやれる可能性は少ないと僕自身は感じていて。誰かに求めてできるものでもないとも思っています。あるいは、誰も考えつかなかったアイデアを思いつくといったことも、リーダーシップのイメージでしょうか?そうは言っても、誰も考えつかなかったアイデアなんてものは、ほとんどないわけですからね。

  

ですから、イノベーションが生まれるような環境を作ってあげられることがリーダーシップになるのかもしれませんね。意見の違いも受け入れながら、みんなで検討をしていけること。多様性を活かしながら、より良い意見を出していけること。仮にひとつの方向を見出したとしても、その後、どうやって企業の内側から盛り上げていけるかが重要です。一人ひとり、クリエイティブなことができるように背中を押してあげられるようなことが求めらるのではないでしょうか。いろんなリーダーシップの形がある中の“ひとつ”ですけれどね。

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